2007年04月30日
春にトライアルを考える・・・
長い雪の季節もようやく終わって、日当たりの良い地面からはふきのとうが明るい緑で春を知らせています。菊の花に似たイチゲソウや、紫がきれいなカタクリも群生しています。都会の人に人気のある真っ白な花と美しい緑の葉のコントラストが清々しいミズバショウもあちこちの湿地に群生しています。

毎年、5月5日前後に開催されるイーハトーブ春トライアルは、そんな雪国ならではのコンディションの中で行われるので独特の雰囲気と楽しさあふれるトライアルです。
おとといから、天候にも恵まれて、3日間ぶっ続けで春トラの準備に没頭していますが、きょうも日中は汗ばむほどの気温なのに、コース上でもっとも標高の高い上平(ワンダイと地元では発音する…)放牧場には、まだ雪があちこちに残っていて、5月中旬までありそうな気配です。

この雪は意外に固くて、気温の低い朝のうちならバイクでも潜らないで走れるほどです。そうそう、気温といえばゆうべは1度まで下がりました。まさに日中はTシャツ、夜はダウンパーカーが必要なほどの極端な温度差も、この時期の雪国の特徴です。
春トライアルは、夏の出光イーハトーブトライアルと違って、私、万澤が個人的に仲間たちを誘って主催している草大会ですが、それだけにトライアル歴40年の私がすべての経験を活かし、やりたいトライアルをそのまんまかたちにしたものです。
トライアルは、ゴルフとよく似た点数競技ですが、点数以前にスタートしたら戻ってくることが最重要だと考えています。言い換えれば、コース上にどんな難関が待ち受けていてもケロッとした顔でゴールしてほしいのです。そのようにどんな状況でも立ち向かう体力、気力、知力を備えたライダーが真のトライアルライダーだと私は思っていますし、トライアル精神というのはそういうものだとも思うのです。
じつは今回もそうなのですが、雪がとけつつある大地は当然水浸しだったり、湿り気の多いところがたくさんあります。ときには雪そのものが行く手を阻む場合だってあります。でも、それらをなんとか乗り越えてこそのトライアルライダーだと私は思うのです。もちろん、危険なことをさせるようなコースやセクションは作りませんから、主催者が設定した条件の中でという大前提のもとでの話しです。
とにかく大自然の難関を無事に走破して戻ってくる体力、気力、知力を試されるのがトライアルの本質的な面白さだと考えているので、走行条件が雪解けで難しくなる春トラは、同じコースで行われる秋トラよりずっと面白さでは上なのです。
春トラも夏の出光イーハトーブトライアルと同じように、初級のネリ、中級のブドリと分かれていますから、セクションの難易度も当然レベルに応じて変わります。しかし、コース上の滑りやすい坂や、雪を乗り越えないと先に行けない山道などでは、初級も中級のわけへだてなく難しいのです。もちろん、そういう場合は仲間内で助け合ってもかまいません。助けてもらう体験というのも、それはそれで貴重な学びでもあります。
春・秋トライアルは夏の出光イーハトーブトライアルと違ってオブザーバーが同行する形式なので、3人一組では走りませんが、逆に助けあう場面になると、なぜ出光イーハトーブトライアルでは伝統的に3人一組で走る形式を使い続けてきたのかが実感としてわかるかもしれません。
面白いもので、トライアルの技術はそんなに上ではないはずなのに、こういう難コースの走破力は明らかに上級ライダーより優れている人もいます。つまり、セクションとコースで要求される能力は同じではないというわけです。
日本では広いエリアでトライアルが開催できる地域は少ないので、どうしてもセクションが密集しているトライアルが多く、当然コースも短く、変化も少ないものとなります。
ところが、イーハトーブトライアルが手本にした英連邦スコットランドで100年の歴史を誇るSSDT(スコティッシュ6日間トライアル)は、広大な開催地域、長大な開催時間という点で世界選手権とは違った世界最高峰のトライアルなのです。
SSDTはコースもセクションも難しい上に、スタート時刻に応じた持ち時間制なのでスピードも必要ですし、やはり雪解け直後の5月初旬に開催されるので滑りやすくて難しいことでも有名な大会です。
SSDTは毎日8時間ほどの走行時間で6日間も連続で走るのですから、終わったときには文字通り人もバイクもボロボロに傷んでいるように感じられます。
それにくらべれば、出光イーハトーブトライアルの中級車向け2日間トライアル、クラシッククラスでさえSSDTの1日分の疲労度ぐらいなものです。
もしもの話ですが、春トラの時期に夏のクラシックのコースをそのまま使って大会を開いたら、たぶんリタイアが続出するかもしれません。なんたって、山の上にはまだ雪がたっぷり残っているし、上り坂は滑って登れないし、下りはブレーキを効かせられないし、横断する小川は増水しているし…というわけで、雪解けの時期の岩手はトライアルの舞台として最高に手ごわいのです。
だからこそ、私の考えるトライアルの本質を味わって見たい方、あるいは自分は真のトライアルライダーだと思う方は、ぜひ毎年5月の連休に行われるイーハトーブ春トライアルに来てほしいのです。おそらく夏の大会とはずいぶん違った印象を受けることでしょう。そしてリザルトに関係なく、「春トラは面白い!」と心から思えるようになったら、あなたはトライアル精神あふれる立派なライダーなのです。
※今回の春トラ開催日は5月5日、受付は5月2日正午までです。詳細は出光イーハトーブトライアル公式サイト掲示板参照。

毎年、5月5日前後に開催されるイーハトーブ春トライアルは、そんな雪国ならではのコンディションの中で行われるので独特の雰囲気と楽しさあふれるトライアルです。
おとといから、天候にも恵まれて、3日間ぶっ続けで春トラの準備に没頭していますが、きょうも日中は汗ばむほどの気温なのに、コース上でもっとも標高の高い上平(ワンダイと地元では発音する…)放牧場には、まだ雪があちこちに残っていて、5月中旬までありそうな気配です。

この雪は意外に固くて、気温の低い朝のうちならバイクでも潜らないで走れるほどです。そうそう、気温といえばゆうべは1度まで下がりました。まさに日中はTシャツ、夜はダウンパーカーが必要なほどの極端な温度差も、この時期の雪国の特徴です。
春トライアルは、夏の出光イーハトーブトライアルと違って、私、万澤が個人的に仲間たちを誘って主催している草大会ですが、それだけにトライアル歴40年の私がすべての経験を活かし、やりたいトライアルをそのまんまかたちにしたものです。
トライアルは、ゴルフとよく似た点数競技ですが、点数以前にスタートしたら戻ってくることが最重要だと考えています。言い換えれば、コース上にどんな難関が待ち受けていてもケロッとした顔でゴールしてほしいのです。そのようにどんな状況でも立ち向かう体力、気力、知力を備えたライダーが真のトライアルライダーだと私は思っていますし、トライアル精神というのはそういうものだとも思うのです。
じつは今回もそうなのですが、雪がとけつつある大地は当然水浸しだったり、湿り気の多いところがたくさんあります。ときには雪そのものが行く手を阻む場合だってあります。でも、それらをなんとか乗り越えてこそのトライアルライダーだと私は思うのです。もちろん、危険なことをさせるようなコースやセクションは作りませんから、主催者が設定した条件の中でという大前提のもとでの話しです。
とにかく大自然の難関を無事に走破して戻ってくる体力、気力、知力を試されるのがトライアルの本質的な面白さだと考えているので、走行条件が雪解けで難しくなる春トラは、同じコースで行われる秋トラよりずっと面白さでは上なのです。
春トラも夏の出光イーハトーブトライアルと同じように、初級のネリ、中級のブドリと分かれていますから、セクションの難易度も当然レベルに応じて変わります。しかし、コース上の滑りやすい坂や、雪を乗り越えないと先に行けない山道などでは、初級も中級のわけへだてなく難しいのです。もちろん、そういう場合は仲間内で助け合ってもかまいません。助けてもらう体験というのも、それはそれで貴重な学びでもあります。
春・秋トライアルは夏の出光イーハトーブトライアルと違ってオブザーバーが同行する形式なので、3人一組では走りませんが、逆に助けあう場面になると、なぜ出光イーハトーブトライアルでは伝統的に3人一組で走る形式を使い続けてきたのかが実感としてわかるかもしれません。
面白いもので、トライアルの技術はそんなに上ではないはずなのに、こういう難コースの走破力は明らかに上級ライダーより優れている人もいます。つまり、セクションとコースで要求される能力は同じではないというわけです。
日本では広いエリアでトライアルが開催できる地域は少ないので、どうしてもセクションが密集しているトライアルが多く、当然コースも短く、変化も少ないものとなります。
ところが、イーハトーブトライアルが手本にした英連邦スコットランドで100年の歴史を誇るSSDT(スコティッシュ6日間トライアル)は、広大な開催地域、長大な開催時間という点で世界選手権とは違った世界最高峰のトライアルなのです。
SSDTはコースもセクションも難しい上に、スタート時刻に応じた持ち時間制なのでスピードも必要ですし、やはり雪解け直後の5月初旬に開催されるので滑りやすくて難しいことでも有名な大会です。
SSDTは毎日8時間ほどの走行時間で6日間も連続で走るのですから、終わったときには文字通り人もバイクもボロボロに傷んでいるように感じられます。
それにくらべれば、出光イーハトーブトライアルの中級車向け2日間トライアル、クラシッククラスでさえSSDTの1日分の疲労度ぐらいなものです。
もしもの話ですが、春トラの時期に夏のクラシックのコースをそのまま使って大会を開いたら、たぶんリタイアが続出するかもしれません。なんたって、山の上にはまだ雪がたっぷり残っているし、上り坂は滑って登れないし、下りはブレーキを効かせられないし、横断する小川は増水しているし…というわけで、雪解けの時期の岩手はトライアルの舞台として最高に手ごわいのです。
だからこそ、私の考えるトライアルの本質を味わって見たい方、あるいは自分は真のトライアルライダーだと思う方は、ぜひ毎年5月の連休に行われるイーハトーブ春トライアルに来てほしいのです。おそらく夏の大会とはずいぶん違った印象を受けることでしょう。そしてリザルトに関係なく、「春トラは面白い!」と心から思えるようになったら、あなたはトライアル精神あふれる立派なライダーなのです。
※今回の春トラ開催日は5月5日、受付は5月2日正午までです。詳細は出光イーハトーブトライアル公式サイト掲示板参照。
