2006年04月14日
目立ちのプロ、デモンストレーションライダーたち
どんなスポーツにもレベルによってクラスがあり、トライアルも例外ではありません。草トライアルから世界選手権まで、そのレベル差がとてつもなく大きいことは野球などと同じです。
出光イーハトーブトライアルは「参加することに意義がある」草トライアルですから、初心者クラスにはきのう免許を取ったばかりの人も参加できます。そもそも初心者クラスはそのために存在するわけですし、ケガの無いように楽しんでもらえれば、下手でもいっこうにさしつかえないのです。
一方、中級者向けのクラシック、サンムトリなどのクラスには、それなりの腕のライダーたちが参加するわけですが、それでも目の覚めるようなライディングを見せてくれる人はごくわずかです。
しかも、昔にくらべると最近は非常にうまい人の数がだんだん減って行く傾向にあり、乗っている本人はともかく、見ているほうの立場で言えば、もうすこし見ごたえのある人に来て欲しいと感じるのも無理はありません。
なにしろ、2日間で350キロ走るクラシックのコース沿いの人々は、30年近くも毎年見続けているわけですから、思いのほか目が肥えているのです。
一見、何もわからずに見ているかのようなおじいちゃんが、「このごろはうめぐねのが増えだな」と、的確にレベルの低下を指摘したのにはビックリしたほどです。こんなぐあいに、地元の人々の観察眼はなかなか鋭いものがあります。
そこで、地元の方々が見る楽しみを増すためにはどんなことをすればいいか実行団で話し合った結果、本当にうまいライダーが技の限りを見せるデモンストレーションを、コース上の各地で行うことにしました。
真っ先に白羽の矢が立ったのが成田匠選手でした。というより、イーハトーブでのデモンストレーションには彼よりふさわしいライダーはいなかったのです。

世界選手権からは引退し、国内選手権に舞台を移した成田選手は、デモンストレーションライダーとして、それはそれは見事な技を披露し、地元の人々も度肝を抜かれて口を開いたままという雰囲気で、各地でのデモンストレーションはねらいどおりに大成功でした。
成田選手は、現在、全日本選手権トライアルのIASクラス(最高クラス)で活躍していますが、94年には世界選手権トライアルのランキング5位という、それまで日本人が到達したことのなかった好成績を残して、後進に道を開いた人です。
じつは、成田匠選手は物心つくかつかないかの幼児の頃、大会創始者でもあり、現在も大会副会長である父親・省造さんに連れられて、世界一過酷なスコティッシュ6日間トライアルについていった経験を持っています。まさに三つ児の魂百までもの典型ですね。ちなみに、イーハトーブトライアルは、そのときのSSDTの体験を元に、私と成田さんとで始めたものなので、このときはまだ影もかたちもありません。
そして、成田匠選手は16歳で父親とともにイーハトーブトライアルに初参加。なんど大観衆の見守る最終セクションで、常勝だった丸山選手を劇的な大逆転で下し、初優勝の偉業を達成したのです。
こうして、成田選手は地元の人々に強烈な印象を残しただけでなく、いつも明るく真面目な好青年としてイーハトーブの人々からは親しみをもって「タクミ!」と呼ばれるほど、圧倒的な人気を保っているのです。
そんな成田匠選手とともに、デモンストレーションに加わったのが弟の成田亮選手でした。全日本IAクラスで活躍する彼も兄に負けず劣らず華麗な大技を披露して、成田兄弟そろっての見ごたえあるデモは大好評でした。

亮選手はもう一人仲間を誘って華を添えてくれました。全日本選手権トライアルIASクラスで活躍している渋谷勲選手です。思い切りのいいデモンストレーションで乱舞する姿に、人々はやんやの喝采を送るのでした。

しかし、成田匠選手はヤマハ契約ライダーとしてアジア各国でモータースポーツ普及の仕事が忙しくなり、夏に岩手に来るスケジュールの都合がつかなくなり、渋谷選手も全日本選手権でトップクラスの争いに集中する関係から、彼らのパフォーマンスは第27回大会が最後となり、すぐに後任を探す必要に迫られることになりました。
そこで高橋由君という、全日本トライアルIBクラスで好成績を挙げていた地元八幡平市の高校生にお願いすることになったのです。当時はまだクルマの運転免許が取れない年齢のため、お父さんの運転するクルマでコース上の各地を回ってもらうことになりました。
第28回大会で初めてデモンストレーションをした高橋由選手は、地元出身ということもあり、たちまち人気者になり、見せる技の切れ味も年毎に向上してきました。性格的にサービス精神も旺盛で、観客をたっぷり満足させる演出から、子供やお母さんもいっぺん見ただけでファンになってしまいます。

高橋選手は05年の全日本選手権トライアルIBクラスでランキングトップ争いをしていましたが、惜しくも最終ステージでライバルにリードを許し、IBクラス最後の年をランキング2位で終わりました。
ことしはIAクラスに昇格し、並み居る強豪たちとの熾烈な戦いが待っていますが、高橋選手は東京の大月ヤマハレーシングチームメンバーとなり、新しい環境のもとで意欲満々のかまえです。
まだ19歳と若い高橋選手には、志を大きく持ってイーハトーブから世界に羽ばたいてもらいたいものです。もちろん、そのときもできるだけイーハトーブのデモンストレーションには戻ってきてくれることでしょう。
じつは、高橋由(ゆう)選手には、ことしみっちり英語の勉強をしてもらうことになりそうです。なにしろ世界に羽ばたくには言葉も必要ですから・・・
出光イーハトーブトライアル30周年記念ゲストとしてニュージーランドから招待するオリバーファミリーの末っ子、ピーター君(14歳)と、今回はいっしょにデモンストレーションをしてもらう計画なのです。なにしろピーター君も免許が取れない年齢ですから、由君の運転するクルマに乗せてもらうしかないのです。
ピーター君にこのことを話したら、「そのライダー、名前は何て言うの?」「ゆうだよ」「え?だから何て名前?」「だからゆうって言うんだよ!」「えー、まじ?」というやり取りで大笑いでした。
というわけで、今年のデモンストレーションで由君とピーター君を見かけたら、英語で声援よろしくお願いします。
出光イーハトーブトライアルは「参加することに意義がある」草トライアルですから、初心者クラスにはきのう免許を取ったばかりの人も参加できます。そもそも初心者クラスはそのために存在するわけですし、ケガの無いように楽しんでもらえれば、下手でもいっこうにさしつかえないのです。
一方、中級者向けのクラシック、サンムトリなどのクラスには、それなりの腕のライダーたちが参加するわけですが、それでも目の覚めるようなライディングを見せてくれる人はごくわずかです。
しかも、昔にくらべると最近は非常にうまい人の数がだんだん減って行く傾向にあり、乗っている本人はともかく、見ているほうの立場で言えば、もうすこし見ごたえのある人に来て欲しいと感じるのも無理はありません。
なにしろ、2日間で350キロ走るクラシックのコース沿いの人々は、30年近くも毎年見続けているわけですから、思いのほか目が肥えているのです。
一見、何もわからずに見ているかのようなおじいちゃんが、「このごろはうめぐねのが増えだな」と、的確にレベルの低下を指摘したのにはビックリしたほどです。こんなぐあいに、地元の人々の観察眼はなかなか鋭いものがあります。
そこで、地元の方々が見る楽しみを増すためにはどんなことをすればいいか実行団で話し合った結果、本当にうまいライダーが技の限りを見せるデモンストレーションを、コース上の各地で行うことにしました。
真っ先に白羽の矢が立ったのが成田匠選手でした。というより、イーハトーブでのデモンストレーションには彼よりふさわしいライダーはいなかったのです。

世界選手権からは引退し、国内選手権に舞台を移した成田選手は、デモンストレーションライダーとして、それはそれは見事な技を披露し、地元の人々も度肝を抜かれて口を開いたままという雰囲気で、各地でのデモンストレーションはねらいどおりに大成功でした。
成田選手は、現在、全日本選手権トライアルのIASクラス(最高クラス)で活躍していますが、94年には世界選手権トライアルのランキング5位という、それまで日本人が到達したことのなかった好成績を残して、後進に道を開いた人です。
じつは、成田匠選手は物心つくかつかないかの幼児の頃、大会創始者でもあり、現在も大会副会長である父親・省造さんに連れられて、世界一過酷なスコティッシュ6日間トライアルについていった経験を持っています。まさに三つ児の魂百までもの典型ですね。ちなみに、イーハトーブトライアルは、そのときのSSDTの体験を元に、私と成田さんとで始めたものなので、このときはまだ影もかたちもありません。
そして、成田匠選手は16歳で父親とともにイーハトーブトライアルに初参加。なんど大観衆の見守る最終セクションで、常勝だった丸山選手を劇的な大逆転で下し、初優勝の偉業を達成したのです。
こうして、成田選手は地元の人々に強烈な印象を残しただけでなく、いつも明るく真面目な好青年としてイーハトーブの人々からは親しみをもって「タクミ!」と呼ばれるほど、圧倒的な人気を保っているのです。
そんな成田匠選手とともに、デモンストレーションに加わったのが弟の成田亮選手でした。全日本IAクラスで活躍する彼も兄に負けず劣らず華麗な大技を披露して、成田兄弟そろっての見ごたえあるデモは大好評でした。

亮選手はもう一人仲間を誘って華を添えてくれました。全日本選手権トライアルIASクラスで活躍している渋谷勲選手です。思い切りのいいデモンストレーションで乱舞する姿に、人々はやんやの喝采を送るのでした。

しかし、成田匠選手はヤマハ契約ライダーとしてアジア各国でモータースポーツ普及の仕事が忙しくなり、夏に岩手に来るスケジュールの都合がつかなくなり、渋谷選手も全日本選手権でトップクラスの争いに集中する関係から、彼らのパフォーマンスは第27回大会が最後となり、すぐに後任を探す必要に迫られることになりました。
そこで高橋由君という、全日本トライアルIBクラスで好成績を挙げていた地元八幡平市の高校生にお願いすることになったのです。当時はまだクルマの運転免許が取れない年齢のため、お父さんの運転するクルマでコース上の各地を回ってもらうことになりました。
第28回大会で初めてデモンストレーションをした高橋由選手は、地元出身ということもあり、たちまち人気者になり、見せる技の切れ味も年毎に向上してきました。性格的にサービス精神も旺盛で、観客をたっぷり満足させる演出から、子供やお母さんもいっぺん見ただけでファンになってしまいます。

高橋選手は05年の全日本選手権トライアルIBクラスでランキングトップ争いをしていましたが、惜しくも最終ステージでライバルにリードを許し、IBクラス最後の年をランキング2位で終わりました。
ことしはIAクラスに昇格し、並み居る強豪たちとの熾烈な戦いが待っていますが、高橋選手は東京の大月ヤマハレーシングチームメンバーとなり、新しい環境のもとで意欲満々のかまえです。
まだ19歳と若い高橋選手には、志を大きく持ってイーハトーブから世界に羽ばたいてもらいたいものです。もちろん、そのときもできるだけイーハトーブのデモンストレーションには戻ってきてくれることでしょう。
じつは、高橋由(ゆう)選手には、ことしみっちり英語の勉強をしてもらうことになりそうです。なにしろ世界に羽ばたくには言葉も必要ですから・・・
出光イーハトーブトライアル30周年記念ゲストとしてニュージーランドから招待するオリバーファミリーの末っ子、ピーター君(14歳)と、今回はいっしょにデモンストレーションをしてもらう計画なのです。なにしろピーター君も免許が取れない年齢ですから、由君の運転するクルマに乗せてもらうしかないのです。
ピーター君にこのことを話したら、「そのライダー、名前は何て言うの?」「ゆうだよ」「え?だから何て名前?」「だからゆうって言うんだよ!」「えー、まじ?」というやり取りで大笑いでした。
というわけで、今年のデモンストレーションで由君とピーター君を見かけたら、英語で声援よろしくお願いします。
