2006年03月03日
こんなバイクが参加してる
知らない人はビックリ!でしょうけど、トライアル競技は、基本的にバイクの排気量制限とか、排気量による区分がありません。カテゴリー区分はライダーの腕前によるものだけです。排気量が関係するのは、副賞として「ベスト125ccクラス」のような場合だけで、さほど大きな意味を持ちません。
そのココロは、「人車一体となって、セクションをクリーン(足をつかない)するための最良の組み合わせ」になることこそが最重要だからです。(バイクの排気量については、別の機会に詳しく書きましょうか…)
出光イーハトーブトライアルに参加する車両は、「トライアル車に限る」と規則で決められているためもあり、トライアルバイクばかりです。国産も外車も旧車も、ときにはプロトタイプ(?)もやってきます。
トライアルバイクの特長は、文字通り、「どこでも走れる」ということにつきます。(腕さえあれば…と付け加えておきましょうか) 何しろ、快適とは言えないにせよ、126cc以上なら法的には高速道路も走れ、山道や沢まで自由自在に走れる車種はトライアル車しかありません。
トライアルに詳しくない人だと、バイクに乗っている人でさえ、「トライアル車は遅い…」と思い込んでいるかもしれませんが、市販されているバイクならどれも100km/h以上は出ますから十分に速いのです。それに車重は70キロ台なので、出足加速もなかなかです。
でも、そういう絶対的な速さより、もっと速さを実感できるのが、曲がりくねった林道や、細いけもの道や、岩石だらけの山道を行くときです。
ある程度の速度を維持していれば、本格的なエンデューロマシンなら、岩石だらけの登りでも、かなりのところまでついて来られますが、いったんミスして登り坂の途中で止まったりしたら、再スタートが非常に難しいのです。
その点、トライアル車は、どんなところでも再スタートして行くことができ、出来ない場合にも押して登ることが、他のどの車種よりも容易なのです。
トライアルというのは、そもそも足を着かない以前に、走破力、つまりどんなところでも乗り越えて戻ってくることが大基本なので、トライアルバイクでもその点が最も重要なのです。
逆に、足なんかいくら着いてもいいから、ちゃんと戻ってくるだけの体力、気力、知力が重要な競技なのだと言ってもいいでしょう。リタイヤは一番悔しく、情けないことです。とくにケガの場合は…
じつは第2回目のイーハトーブトライアルが開催された1978年から第3回までの短い時期、トレイルバイクの参加もOKだったことがあります。
その理由は、国内で販売されているトライアル車が皆無になったからです。そのかわり、世界的にオフロードがブームだったので、トレイルバイクは今よりずっと多くありましたから、窮余の策としてそれでも参加できるようにしたのでした。
しかし、もともとトレイルバイクは、ラフロードは走れても、オフロード性能は目をおおうばかりに無残なものですから、多少の改造が施されたぐらいでは、トライアルのチャンピオンが乗ってさえ、四苦八苦の状態で、当然、好成績は望むべくもありませんでした。
この話の大事な点は、成績のことではなく、そんなに扱いにくいバイクだと、トライアルが楽しくないだけでなく、思わぬ失敗でケガをしたり、マシンを大破する危険が大きかったことです。
つまり、重たい車重、パワーはあっても、トラクションがないエンジン特性、速過ぎるローギヤ(ゆっくり走れない)、高いシート高、グリップしないタイヤなどなど、トライアルの心得がない初心者にとってト、レイルバイクをトライアルセクションで乗ることは、すすんでケガをしに行くようなものです。
実際、それでケガをした人はわずかでしたが、楽しくないことは明白でした。当時の人気車種はスタート後まもない沢のセクションを走ったら、石に軽く当たったクランクケースが、まるで瓦せんべいのようにあっけなく割れて、オイルが漏れる始末で、早々とリタイヤしました。
やはり、トライアルには、トライアルバイクしか通用しないのです。
ちょうどその翌年、旧いモデルの焼き直しながら、トライアルバイクが国内販売されるようになったので、トレイルバイクは参加できないように、大会規則で「トライアル車に限る」としたのです。
その後は、各輸入代理店の方々の努力もあって、ヨーロッパの素晴らしいトライアルバイクが続々と輸入されるようになり、そのおかげでトライアル車の選択は、中古車も含めるとずっと広がりました。
いまでも、たまに「トレイルバイクの改造車では参加できないのか」という問い合わせがあったりしますが、出光イーハトーブトライアルでは、基本的な線引きとして「トライアルバイクで参加してください」とお願いしています。
ただ、主催者判断で例外的な場合もあります。それが、大会、およびトライアル界の発展に寄与する(かもしれない…を含む)場合です。
実際、そうやって木村治男さんが早くから持ち込んでいた、東南アジア向け125cc実用車エンジンの改造車は、やがて現在のスコルパTYS125として発売になりました。
出光イーハトーブトライアルの、とくに「クラシック」の長いコース(2日間で約350km)は、舗装から山道、沢まであらゆる地形的条件が揃っていて、標高差も1000メートル以上あるので、マシン開発テストにも最高の舞台なのです。
だからTYSはフランス生まれですが、胎教として(?)出光イーハトーブトライアルが刷り込まれていることは間違いありません。
昨年、一昨年と、ホンダの二輪デザイナー、丸山隆さんたちが仕事ではなく、余暇に作り上げたエイプ100改も、主催者判断で参加してもらいました。

さすがに本職だけあり、センスの良さ、仕上げの見事さは、このまま発売?と思わせるに十分です。
このマシンに対する反響の大きさを見ることは、メーカーとしても興味があることに違いないので、その点を重視したわけです。
いまのところ、一昨年は1台だったのが、昨年は2台になり、参加者の間からは「こんなのが発売になればいいのに…」という声も多く聞かれます。ひょっとすると、これが初心者向けトライアル車(そのものではなく)ベース車両のようなかたちで発売になる可能性もあるわけです。
トライアルバイクのことは、とても一回では書ききれませんの、またつぎの機会に。
では、今回はこのへんで。次回をお楽しみに
そのココロは、「人車一体となって、セクションをクリーン(足をつかない)するための最良の組み合わせ」になることこそが最重要だからです。(バイクの排気量については、別の機会に詳しく書きましょうか…)
出光イーハトーブトライアルに参加する車両は、「トライアル車に限る」と規則で決められているためもあり、トライアルバイクばかりです。国産も外車も旧車も、ときにはプロトタイプ(?)もやってきます。
トライアルバイクの特長は、文字通り、「どこでも走れる」ということにつきます。(腕さえあれば…と付け加えておきましょうか) 何しろ、快適とは言えないにせよ、126cc以上なら法的には高速道路も走れ、山道や沢まで自由自在に走れる車種はトライアル車しかありません。
トライアルに詳しくない人だと、バイクに乗っている人でさえ、「トライアル車は遅い…」と思い込んでいるかもしれませんが、市販されているバイクならどれも100km/h以上は出ますから十分に速いのです。それに車重は70キロ台なので、出足加速もなかなかです。
でも、そういう絶対的な速さより、もっと速さを実感できるのが、曲がりくねった林道や、細いけもの道や、岩石だらけの山道を行くときです。
ある程度の速度を維持していれば、本格的なエンデューロマシンなら、岩石だらけの登りでも、かなりのところまでついて来られますが、いったんミスして登り坂の途中で止まったりしたら、再スタートが非常に難しいのです。
その点、トライアル車は、どんなところでも再スタートして行くことができ、出来ない場合にも押して登ることが、他のどの車種よりも容易なのです。
トライアルというのは、そもそも足を着かない以前に、走破力、つまりどんなところでも乗り越えて戻ってくることが大基本なので、トライアルバイクでもその点が最も重要なのです。
逆に、足なんかいくら着いてもいいから、ちゃんと戻ってくるだけの体力、気力、知力が重要な競技なのだと言ってもいいでしょう。リタイヤは一番悔しく、情けないことです。とくにケガの場合は…
じつは第2回目のイーハトーブトライアルが開催された1978年から第3回までの短い時期、トレイルバイクの参加もOKだったことがあります。
その理由は、国内で販売されているトライアル車が皆無になったからです。そのかわり、世界的にオフロードがブームだったので、トレイルバイクは今よりずっと多くありましたから、窮余の策としてそれでも参加できるようにしたのでした。
しかし、もともとトレイルバイクは、ラフロードは走れても、オフロード性能は目をおおうばかりに無残なものですから、多少の改造が施されたぐらいでは、トライアルのチャンピオンが乗ってさえ、四苦八苦の状態で、当然、好成績は望むべくもありませんでした。
この話の大事な点は、成績のことではなく、そんなに扱いにくいバイクだと、トライアルが楽しくないだけでなく、思わぬ失敗でケガをしたり、マシンを大破する危険が大きかったことです。
つまり、重たい車重、パワーはあっても、トラクションがないエンジン特性、速過ぎるローギヤ(ゆっくり走れない)、高いシート高、グリップしないタイヤなどなど、トライアルの心得がない初心者にとってト、レイルバイクをトライアルセクションで乗ることは、すすんでケガをしに行くようなものです。
実際、それでケガをした人はわずかでしたが、楽しくないことは明白でした。当時の人気車種はスタート後まもない沢のセクションを走ったら、石に軽く当たったクランクケースが、まるで瓦せんべいのようにあっけなく割れて、オイルが漏れる始末で、早々とリタイヤしました。
やはり、トライアルには、トライアルバイクしか通用しないのです。
ちょうどその翌年、旧いモデルの焼き直しながら、トライアルバイクが国内販売されるようになったので、トレイルバイクは参加できないように、大会規則で「トライアル車に限る」としたのです。
その後は、各輸入代理店の方々の努力もあって、ヨーロッパの素晴らしいトライアルバイクが続々と輸入されるようになり、そのおかげでトライアル車の選択は、中古車も含めるとずっと広がりました。
いまでも、たまに「トレイルバイクの改造車では参加できないのか」という問い合わせがあったりしますが、出光イーハトーブトライアルでは、基本的な線引きとして「トライアルバイクで参加してください」とお願いしています。
ただ、主催者判断で例外的な場合もあります。それが、大会、およびトライアル界の発展に寄与する(かもしれない…を含む)場合です。
実際、そうやって木村治男さんが早くから持ち込んでいた、東南アジア向け125cc実用車エンジンの改造車は、やがて現在のスコルパTYS125として発売になりました。
出光イーハトーブトライアルの、とくに「クラシック」の長いコース(2日間で約350km)は、舗装から山道、沢まであらゆる地形的条件が揃っていて、標高差も1000メートル以上あるので、マシン開発テストにも最高の舞台なのです。
だからTYSはフランス生まれですが、胎教として(?)出光イーハトーブトライアルが刷り込まれていることは間違いありません。
昨年、一昨年と、ホンダの二輪デザイナー、丸山隆さんたちが仕事ではなく、余暇に作り上げたエイプ100改も、主催者判断で参加してもらいました。

さすがに本職だけあり、センスの良さ、仕上げの見事さは、このまま発売?と思わせるに十分です。
このマシンに対する反響の大きさを見ることは、メーカーとしても興味があることに違いないので、その点を重視したわけです。
いまのところ、一昨年は1台だったのが、昨年は2台になり、参加者の間からは「こんなのが発売になればいいのに…」という声も多く聞かれます。ひょっとすると、これが初心者向けトライアル車(そのものではなく)ベース車両のようなかたちで発売になる可能性もあるわけです。
トライアルバイクのことは、とても一回では書ききれませんの、またつぎの機会に。
では、今回はこのへんで。次回をお楽しみに
